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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年11月
溶けあうものすべて溶けあいからみあう声が木馬のごと揺れるなり
冬牛蒡せいせいと削ぐ時の間も詩語ほろび詩となる言葉あり
眼路のかぎりみはるかす冬黄昏の地平どこまでわれらが地球(テラ)
おまえの世界に存在しない俺の世界のほぼど真ん中ガムを噛んでいる
寒へ向かふ季節(とき)にして軒の干し柿は含羞の粉(こ)を加へゆくなり
黄楊の葉にさがる蜘蛛の子うつつには見えざる糸をのぼりはじめつ
塩振りてひとりの轢死払ひ去る夜半の詰所(つめしょ)に食に戻りぬ
ラッシュアワー過ぎしホームに梯子もて時計の針をなおす人見ゆ
何ものかを守るかたちに擦る燐寸バーナーに湯を沸かさむとして
水喧嘩かなたに見えてかげりくる厩のさくら散りそめにけり
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