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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年11月
片脚のなき鳩ありて脚のなきことを思わぬごとく歩きぬ
そのあとはわれの鎖骨をこんこんと叩いてきみは眠るのだった
手の甲に浮く老斑の濃く淡くひと恋いしこと長く忘れず
「そら豆って」いいかけたままそのまんまさよならしたの さよならしたの
傾けむ国ある人ぞ妬ましく姫帝によ柑子差し上ぐ
前籠に午後の淡雪いっぱいに詰め込んだまま朽ちる自転車
リタイヤ官吏背広着てカツカレー喰ふ憲政記念館食堂のあどけなき昼
アトリ科の鳥とのみしか分からぬが柿の枝より移りてゆけり
うみ おちて つち に ながるる かき の み の ただれて あかき こころ かなし も
つはぶきの花は日ざしをかうむりて至福のごとき黄の時間あり
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