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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年11月
小さき粒子の集まりに過ぎぬものなれど写真は語るまことらしきもの
うつぶせになれば怒りも伏せられるのかうつぶせになってみよ
女とはかかるものにて妹が晴着脱ぐとてまたおほさわぎ
肌しろき不良に煙草を投げられし地下道の闇が夜へとつづく
モーニングコール十分前から待つ夫とローマ二日目いさかいをせり
干すまでは洗濯たのし取り入れてたたみてしまふときにひとりぞ
あたたかきパンを齧りて口早にきみが「せんそう」と言う一瞬の闇
とほくにて戦報をいふラヂオありしづかにもえて音なきもみぢ
飴玉の包み紙をすてるまえに折りたたむひと そのくせつめたい
あしびきの山のはたけに刈りのこす粟の素茎を見てすぎにけり
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