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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年3月
性別がふたつしかないつまらなさ七夕さやさやラムネを開ける
邸にはほど遠き家ごめんなさい父母舅みなは住めない
〈女は大地〉かかる矜持のつまらなさ昼さくら湯はさやさやと澄み
工事現場の荒れたる地表おほひつつ銀を展(の)べゆくさらの春雪
スクラッチノイズの入った曲を聴く みんなどこかへ帰りたい夜
縄跳びの描ける繭にひとりずつ児らはおのれを閉じ込めて跳ぶ
ひとつずつボタンをはめる静けさは白亜の街のさすらいに似て
雪の上に雪積む小路を歩み来ぬ裂けし一樹の立つところまで
ヨハン・セバスチャン・バッハの小川暮れゆきて水の響きの高まるころだ
飼ひ主はわが家の犬を甲として見かくる犬を乙と決めこむ
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