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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年3月
暴行に及んだことがない僕の右手で水はひねれば止まる
かの批評うけしよりはたと歌成らず心をふかく嚙まれてゐたり
われの名を記して小さき責任をとりたり窓のオリオン光る
ふららこという語を知りてふららこを親しく漕げば春の夕暮
北を指す針だと思ふぼくたちは クリアするのを忘れたゲーム
若き日の過誤かへるまで畳目のしづかさにしむ秋雨の音
振り上げた鎌のかたちの半島の把手あたりにひかるまほろば
わかくさの妻の日々よりもどりたる友もわたしも少女ではなく
私ではない女の子がふいに来て同じ体の中に居座る
好まざる昔語(むかしがた)りし我つひに結社の稗田阿礼(ひえだのあれ)かと嘲ふ
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