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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年11月
わが庭の薔薇垣に朝のひかり差すまさしく日食まへの太陽
青ふかく引かるるままに落ちてゆく からだしづかに浮かびはじめぬ
あじさいがまえにのめって集団で土下座をしとるようにも見える
圏内に囚われ住まう禽獣の自死の思惟なき眼[まなこ]あかるし
妻も子もテレビに明日の天気見る観天望気といふを知らぬか
消し去るための過去などあるな君の部屋のグランドピアノ黒鍵ばかり
これが老残自然のさまか今の今己が事のみ関心にして
大おつとせいの鳴声みちたり益良雄のこらへかねたる酔泣のごと
もやは神はひとを裁かぬ 自動式洗浄トイレに水は渦巻く
ひとりぶん伏せて置かれたお茶碗がちいさいものを匿う夜だ
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