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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2017年4月
寂しさの根源として縁側の日なたに出でて正座する人
民族が違ふと言はれ黙したり沖縄(うちなー)びとにまじりて座せば
老いさびし犬の散歩に小太りの猫の薄目や 法案通る
パチンコをしつつ嬉しもニイチヤンと隣の台の男に呼ばれ
つけ捨てし野火の烟のあかあかと見えゆく頃ぞ山は悲しき
茸(きのこ)たちの月見の宴に招かれぬほのかに毒を持つものとして
衰ふるわが眼のために咲きそむるミモザの黄なる大き花房
ひらがなで名を呼ばれたりはつなつの朝のひかりのテーブル越しに
浦の名をうなゐに問へば知らざりき少女に問へば羞ぢて答へぬ
フジワラちゃんと呼ばれることもうべなえばああなまぬるき業界の風
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