吉田 隼人


滅んでもいい動物に丸つけて投函すれば地震 今夜も

我妻俊樹『足の踏み場、象の墓場』(私家版:2016年)

結句の「地震 今夜も」が怖い。東日本大震災はじめ、ここ何十年かに日本列島を襲ったいくつもの大地震にトラウマを負っている証拠だろうか。

結句までがまず不穏で、滅んでもいい動物なんて少なくとも建前としてはいてはいけないはずなのに、それを選び出して丸を付けて投函までする。郵送された先によっては本当に選ばれた動物を滅ぼしかねない。そういう本気度がどこかこの歌にはある。

地震が続くのも、ひょっとして滅んでもいい動物として人間が選ばれ、その結果としてなのかも知れないと思うと、なおのこと怖くなってくる。