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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
都築 直子
まさか俺、一生ここで菓子パンを齧ってるんじゃないだろうなと
神経のいちにち分のゼンマイが一気に解き放たれてめまひす
あるいはそれは骨を握れることならむ手を繋ぎつつまだ歩いてる
ここはゴミ堆積地にて淡く澄むレインボーブリッジわれに架かれり
「青春」は存在しない「老年」も存在しないましてわが「死」は
シャボン玉の中へは/庭は這入ません/まはりをくるくる廻つてゐます
一日の終らんとする食卓に遠足の顛末妻は伝うる
瓦礫の原に/三段くねり式の/電動こけしクマッコ1号が/一本 縦に在った
数寄屋橋ソニービルディング屋上に青きさんぐわつのみぞれ降りゐき
黄の色の粒の光をひろいつつ手のひらをそっとのばす母子草
無抵抗主義者のやうなる草の根のおどろくばかり長し三月
梅咲いて梅散ってたちまち終わりにき風ひかる二月われのきさらぎ
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