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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
石川 美南
壁の線横に流れるものだけが速度のなかで消されずにある
やめようときめたのは尖端ではないのだらう蔦があんなところで
水鳥の頸のかたちの親指が吊革にあり首都冬に入る
妹とわれとあはせて百キロの巨漢となればあはれ自転車
着るたびに気づき脱ぐたび忘れたり今にもとれそうな喪服のボタン
派や系でくくって話す 単純化した部分だけ伝えるために
木の命気負いしころもあるならん下駄の木目に素足を載する
きざすとききみはいなくて弦楽のうねりに脚をからめていたり
夜の風はしげく吹き入り先生はかけ衣(ぎぬ)の下に動くがにみゆ
風狂ふ桜の森にさくら無く花の眠りのしづかなる秋
夕霧にほのか濡れつつローソンの青き光をくぐる獅子舞
ともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いてる
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