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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年5月
或いは危ふからずや鯉が上下(うへした)に擦れ違ふときの感覚なども
薔薇(ばら)もゆるなかにしら玉ひびきしてゆらぐと覚ゆわが歌の胸
文明開化に置いてけぼりを喰ふほか無し一点一画文字書くやうでは
われといふ瓶(かめ)をしづかに盈たしたる素水(さみづ)と思ふ、九月の君を
かかかんと指で茶筒を鳴らしおり泣きたい俺はどこにいるのか
眠りつつベッドに垂らす子の腕よ腕より明日へ入りゆくものか
椅子に居て我れは未来を待つならず寄りも来ぬべきいにしへを待つ
こんなところに釘が一本打たれいていじればほとりと落ちてしもうた
昔語りぽおんと楽し大きなる女が夫を負うて働く
ベビースプーン右手左手に持ちかえる道具を持たされてかなしいか
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