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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2021年9月
わが体の秘密をいはば
左膝蓋
ひだりしつがい
下部一寸余脛毛つむじ巻く
父の顔の幅だけいつも開いているカーテンが言う「待ちょうちゃったで」
ふた瘤を揺りていとけなく立ち上る駱駝を午後のくもりに見をり
ここに居ることの薄さのガラス戸に秋の冷たい指紋をのこす
夜の道来つつし見れば凍りたる立方体の
烏賊
いか
をほどける
日本海の黒き水面をなめてゆく二十一海里の光達距離で
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