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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2017年7月
きっと血のように栞を垂らしてるあなたに貸したままのあの本
人間は世のひとかたに去りしごとひそけき昼を爬虫類出づ
夏なのに咲かない向日葵 泣いていた記憶ばかりが鮮明、ずっと
股関節こくつと鳴りぬストレッチは自分のからだを捜すものなり
太陽の沈まぬ国のひまはりは首落つるまで陽を追ふといふ
硝子戸の外にて雨はふるとみえず梅の葉が昏くぽつりぽつり動く
陽炎に裏表ある確信を持ちてしずかに板の間に伏す
卓上に綿棒いっぽん横たわり冬の陽射しに膨れはじめる
炎昼の往還に人絶えぬればあらはるる平沼銃砲火薬店
麻痺の子の逝きて時経し向ひ家に人の笑ひのきこゆと妻は
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