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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
石川 美南
秀吉が大河ドラマであっさりと死んで開票三十分前
春の風いま吹けよそよ、そよとなほこほりてとざすきまじめの顔へ
嬉々として人々は見きX線通したるみづからの手、足、頭
竹群の霜とけて日にかがよへり無数なる童謡うまるるごとく
どうしても行くというなら行けばいい蝶結びふたつ胸の上にのせ
ぎんがみを解けばかすかに霧立ちて角(かど)やはらかきチョコレート出づ
鼻孔(はな)に入(い)る異物を瞬時に出ださんと赤子は顔のまなかを縮む
回覧板読むまへにシャチハタの判を押す癖は変はらず母の日々(にちにち)
含み笑いをしながら視線逸らしたる生徒をぼくの若さは叱る
雪底に押しつぶされし根の怒りある朝噴きて水仙となる
区役所の窓口に立ちなんとなくたみくさの感じにぎこちなくをり
かのときの二月岬の潮風になびきてありしえり巻きのQ
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