コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
さいかち 真
うたかたの職場におのれ尽くし来ぬ指のあはひを風の抜けゆく
慰安婦のほとなる深き井戸の底ぬばたまの天黙し在りしを
うつぶせになれば怒りも伏せられるのかうつぶせになってみよ
肌しろき不良に煙草を投げられし地下道の闇が夜へとつづく
干すまでは洗濯たのし取り入れてたたみてしまふときにひとりぞ
とほくにて戦報をいふラヂオありしづかにもえて音なきもみぢ
あしびきの山のはたけに刈りのこす粟の素茎を見てすぎにけり
貧しさは人のこころを毀つとぞ壊れし子らの教室に吼ゆ
冷や飯を湯漬けにさらっと立ち食いす午後は氷雨になるやもしれず
一太郎は少数派なりそれでいいさうしていつも片隅にゐる
公園のふん水に立つ尺のにじわがよろこびもそれほどの事
公園にベンチのあればゆるゆると吾より先に影がちかづく
投稿のページ送り
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
…
固定ページ
13
次のページ