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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年12月
一生を直立歩行と決められて少年がカナリヤの籠さげてゆく
歳深き山の/かそけさ。/人をりて、まれにもの言ふ/聲きこえつゝ
刻んでる音がしてゐるやがて潰れて青いどろどろの現実が来る
大空を草薙ぎ払ふごとく来て無人攻撃機の金属音は
吊り皮の手首に脈拍たしかむる寒の迫りてくるはさびしゑ
吹く風に潔く散れ山さくら残れる花はとふ人もなし
告知されその名のごとく病み臥して足二本分の崖に立ちゐき
烏口の穂尖に思ひひそめては磨ぐ日しづかに雪は降りけり
両端に繭をやどした綿棒は選べずにいたわたしのようだ
母の国筑紫この土我が踏むと帰るたちまち早や童なり
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