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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年3月
水槽の魚運ばるるしづけさを車中におもへばたれも裸体なり
父われを見むと来たれる東京の子もうれしみて席に加はる
校庭に水木見上げて立ちおれば事務長が来て水木見ずゆく
電車でも眠ってともだちの部屋でも眠ってなんのために行ったのか
人間を休みてこもりゐる一日見て見ぬふりの庭の山茶花
駆けつこの迅きは英雄となりて墜ち鈍足の群れに射せる黄昏
鳩の咽喉腫れしゆうべは西空の奥ふかくあかあかとにじむ夕映え
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