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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
石川 美南
起こす声聞こえてたけどクワガタの卵になって眠ってたから
妙にあかるきガラスのむかう砂丘よりラクダなど来てゐるやもしれぬ
ひ•な•あ•ら•れ フセインが鳥に撒きやりしちひさな食べもの闇夜に残る
アスファルトの感じがよくて撮ってみる もう一度 つま先を入れてみる
みんなまけみんなまけぺらぺらのマスクに顔を包んであゆむ
雨にも眼ありて深海にジャングルに降りし記憶のその眼ずぶ濡れ
窪地に湛へゐるくらきものより生まれ飛びたつぎらぎらひかる翅たち
春の日に柱の割るる響きにも心はゆらぐ病みてこもれば
夏草をからだの下に敷きながらねむり足(た)りたれば服濡れてをり
教科書の詩を読みながらどうしても唄ってしまう子がやり直す
屈折率ほどせいひくくみえながら水に沿(そ)うさまざまのはるの樹
病窓に下界を見れば辛うじて犬だとわかるかたちのゆらぎ
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