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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年11月
銃弾が打ち貫きし手帳がそのままに行李の中に収められゐぬ
白き坂のぼりつつおもう 尾はことに太きがよろし人もけものも
さようなら。人が通るとピンポンって鳴りだすようなとこはもう嫌
街上(がいじやう)の焚火にあした人あらずしづかなるかなや火をぬらす雨
俺という一人称を持たざれば伝えきれない奔流のある
王冠のかたちに透けるガスの火に獣乳ささぐ秋のおわりは
酔ひにたりわれゑひにたり真心もこもれる酒にわれ酔ひにたり
わがうちに井戸ありいまだわが汲まぬ井戸にもたれて影ひとつあり
白昼に覚めたる眼(まなこ)ひらきつつ舟の骨格を見わたすごとし
ムンクの絵〈叫び〉を〈あくび〉と改名す女子高生はただものでない
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