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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年10月
寝室に行けばわれよりも早く来てベッドに待てる月光に触る
啄木の日記の上に目覚むれば干し草ほどに乾ける活字
杉爺(すぎじい)の中のこだまを呼びにきて若きあかげら若き首をふる
切株の裂け目に蟻の入りゆきて言葉以前の闇ふかきかな
花火咲き散りにしのちに隕ちてくる闇の重さに母と寄りそふ
きつとある後半生のいつの日かサヨナラゲームのやうなひと日が
しよんぼりと霧に飢ゑをるえんとつのまるみなり日暮れはこころも猫なり
ウオッカといふ牝馬快走その夜のわたしの肌のやすらかな冷え
ノウミソガズガイノナカデサドウシテセカイハイミトコトバニミチテ
フランスの語彙を学べるわが上にああ月(リュヌ)といふ此岸の出口
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