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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年4月
人生は壊れものだと思うだろう 言葉が見つからない、きみの前
がらんどうの倉庫のやうに立ちつくす ペットボトルの水がもうない
直立せよ一行の詩 陽炎に揺れつつまさに大地さわげる
ジャンヌ・モローのややよぢれたる唇のやうな小説読みをり深夜
木製の銃でデコイの水鳥を撃ち抜いた、って感じがしたね
健やかなドナーになるため散歩する朝にみつける黄(きい)のたんぽぽ
一人の子を呼ぶとてけさも五人のみなの名を呼び子にはやされぬ
小学生のふりしてきたといふやうに子はランドセルすとんと落とす
一つ二つ小石にまじる青蜆萌えいづる春の色にもあるかな
帰つて来たと不意に思うて不思議なり砂を踏みつつ海に近づく
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