コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年11月
秋さぶる気配やや色づくと窓の森いくたびも大きたゆたひ
おいとまをいただきますと戸をしめて出てゆくやうにゆかぬなり生は
おりたちて今朝の寒さを驚きぬ露しとしとと柿の落葉深く
父の待つ昼餉に向かう父の中の母と話をしたくなる日は
鳴けや鳴け蓬が杣のきりぎりす過ぎゆく秋はげにぞ悲しき
大口を開けて己の重たさにうなかぶすダツラの煙雨にそぼつ
薪伐る鎌倉山の木垂る木を松と汝が言はば恋ひつつやあらむ
人間が行方絶ちしを蒸発と湯気のごとくに言ひし日のあり
時によりすぐれば民の嘆きなり八大龍王雨やめたまへ
朱鷺色のマフラーを解くそのせつなわれの蒸気が空にとけゆく
投稿のページ送り
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ