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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年10月
「ゴメンネ」と羞しく言いて寝につきし夫の夜毎の言葉忘れず
はろばろと天心をゆく月見れば月と教へしは父よと思ふ
いぢめられいぢめられてもついてくる榎本君がおそろしくなる
ブラウスの水玉模様歪むなり老父を残して帰路を急げば
花崗岩の花ひらく巓をとりかこみ五峰・天女・勢至・無涯峰とうちよせる天上の奏楽
とりあへず「括弧」でくくりかなしみの方程式は解かずに置かう
わたくしが<私>を検索するといふ遊びの果てに襲ひ来るもの
本棚をずらせばそこに秋風のベーカー街へ續く抜け道
風吹かぬ山かげに来ればあたたかし月照りみちて虫の音多し
園児らの障害物競争を見つつゐてかかる時涙とどまりあへず
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