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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年10月
地湧の菩薩として僧俗和合で〔魔の所為〕を砕滅する
今宵ひそと月と野良猫が登場すわが人生の野外舞台に
秋のおもひ堪へえぬ時は朽縁に出でて狭庭の石にもの言ふ
秋桜、秋明菊に女郎花 わが赤毛のアン恍惚と立つ
火ぶくれのごとき紅葉をあらしめて秀つ枝を去りしひとむらの霧
この地上にいまだ光の届かざる星の在り処を想ふ秋の夜
海岸山観音寺の朝ぼらけ空々くろろんと啼くは誰が子ぞ
圏外のひとはドラマと呼ぶわれの歴史は選挙権なき歴史
わが戦友らいのち死ゆきし草丘のいくつを越ゆる時雨降りつつ
糸とんぼ返し縫ひして沼しづかこの遊星にふはりと立てば
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