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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年7月
たぶの樹を見に行つたらしい 暮れがたの二階の気配失せてしばらく
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
梢(うれ)たかく辛夷の花芽ひかり放ちまだ見ぬ乳房われは恋ふるも
夜な夜なを夢に入りくる花苑の花さはにありてことごとく白し
忘られし帽子のごとく置かれあり畳の上の晩夏のひかり
夏空は帽子のつばに区切られて銅貨のように落ちてゆく鳥
床屋よりもどりて夕刊読む夫のにわかに齢(よわい)かたぶくうなじ
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