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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
今井 恵子
連結して貨車降りるときこはばりし指のはずれずふる雨の中
さそはれて窓より首を出すときにみじかすぎたり人間の首
給油所のうえの虚空はさざなみの沼につづけり 横ながの沼
さかいめのなき時を生きゆうらりと瞳うるわし川底の魚
参道の夜店の面に目がふたつ開いたままに暮れどきに入る
末なるがめぐしきものと群肝の心にしみぬしが幼聲
針の目の隙間もおかずと押し浸す水の力を写したまへり
息子とは見るものが違い朝雲のバックミラーを俺は動かす
男をの童わらべペダルの上に身を立ててこのつゆばれの夕べをきたる
寒あおぞらかぎるもの見ずたかひかる米軍制空権のとうめい
チャーハンの写真を撮つてチャーハンを過去にしてからなよなよと食ふ
人齢をはるかに超える樹下に来て仰ぐなり噫、とてもかなはぬ
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