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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2009年4月
そこがあなたの岬でもあるというように光翳ろうなかの頬杖
三月の暦が壁にぶら下がる君の部屋より見ゆる葉桜
父ならぬ夫ならぬよはひの人と見る散らんとしていまだ散らざるさくら
橋の見るゆめのようなる町並みの眩しきなかをほんやら洞へ
清らかにカンガルーポケットに指かけてああ服の下には体があるね
ハルウララ敗れることが義務であるごとく走りき泥濘の馬場
ゆきたりと知りて極まるさびしさのなか揃へある赤きはきもの
今われは樹の眼(まなこ)なり空中に伸びたる蝶の舌がちかづく
ルーベンスの薔薇色の雲わが手には君の重たき上着が眠る
いびつなる三叉路に立つ風の夜いづれの道もわたくしを呼ぶ
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