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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年2月
やや重いピアスして逢う(外される)ずっと遠くで澄んでいく水
春靄に濃くつつまれてうづくまる翁は抱けり零の明るさ
石の苔まろまろとありけふひとひいのち交換したきこの苔
みづからを日日解き放てよ大空へおのれほどけてみなぎらふまで
ひそひそと六十五年のかたまりの生きて動いて葱きざみ居る
同性を愛するけもの在りと聴き冬のくちびる水に寄せたり
ここからは聞こえない音たてながら重機は動く雨の地上を
出くはせる牛におどろき跳びのきし大松達知(たつはる)都会つ子なり
ブランコを思ひきり漕いだことはなく人生すなはち背中がこはい
けものらは滴(しず)ける闇に骨を解き冬の韻(ひび)きのとおく聞こゆる
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