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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年9月
発言は波立つような反感をみちびきたれど反論はなし
我が手相見つつおどろき言わざりし人は何見しはやばや逝きし
北の壁に一枚の肖像かけており彼の血をみな頒かちつつ老ゆ
日だまりの石ころのやうにしみじみと外勤の午後のバスを待つ
ああさうだこの声だつたと思ふためそのためだけに君と会話す
ひとみ冴えてわれ銀河へと流れこむ両手(りやうて)をひろげてひとりは重し
「あれ、まさか」前の背に浮くおとろえに粛然として焼香に並む
秋風(しうふう)に思ひ屈することあれど天(あめ)なるや若き麒麟の面(つら)
寂しさに海を覗けばあはれあはれ章魚(たこ)逃げてゆく真昼の光
曖昧なることばに輕く手をあげて昭和天皇いづくにゆきしや
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