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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年8月
なにとでも呼べる気持ちの寄せ植えにきみの名前の札をさしこむ
このごろは近視がすすみ裸眼では生徒の群れがゲルニカに見ゆ
心強く生きがたきかな晩夏光輝く茄子の畑にゐたり
少年はあをきサロンをたくしあげかち渡り行く日向(ひなた)の河を
てのひらにつつむ胡桃の薄緑この惑星に子よ生れてくるしめ
離れ住む朝(あした)の卓に皮膚うすきクロワッサンを互みに置けり
地球規模で淋しいのですアボカドの茶色の種がなかなか取れず
放射能も蚊取り線香で落ちちやえばいいのにね いいだらうね
殺したき男ぐらぐら煮てゆけば口あけて貝のごとき舌見ゆ
夏帽のへこみやすきを膝にのせてわが放浪はバスになじみき
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