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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年9月
つの かる と しか おふ ひと は おほてら の むね ふき やぶる かぜ に かも にる
逃げた女逃げた心よ逃げた詩よ吾飲めば君たちが酔いにき
おほかたの秋くるからにわが身こそかなしき物と思ひ知りぬれ
このゆびは人さしゆびと名づけられ星座を指した、戦旗を指した
馬は人より天にしたがひ十月のはがねのかをりする風の中
なんだってこんなに死んだり生きたり山林に踏みつけてゆく腐葉土の嵩
さしあたり今朝は虚無にも逢はざれば小走りに廊下行けりわたくし
怒るときも名差しができずいる父よ床の木目を見ながら怒る
けぢめなく吾のこころのおどおどとしたる恐れよ電車にをりて
一年を振り返りやがて口腔にひろがる路地を眺めていたり
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