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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年6月
真夜中に義兄の背中で満たされたバスタブのその硬さをおもう
塀の上を過ぎゆく猫に見られつつストッキングに片足とほす
外苑の縁の彎曲あゆみをればみどり濃き人ちかづいてくる
初心者の衒(てらい)にあらむこそこそとメガネのレンズふく昼さがり
だれもみな手首に鍵をゴムで留めほとんど裸で水に入った
百千体じぐざぐに並ぶ石仏のかたぶきしまま夜は眠らむか
麦畑 ひばりが一羽 飛び立ちて… その鳥撃つな 村人よ!
地下街をキックボードで滑りゆくみずがね色の猫やなぎたち
救ひなき裸木と雪の景果てし地点よりわれは歩みゆくべし
一昔前のやうなる水村(すいそん)をバスより見をり旅にあらねど
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