コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年6月
ひと一人おもひ初めたり行く道はうすももいろにひるがほの花
かげろふの尾羽を透きし死の象 音さやさやと国くづれゆく
車椅子同志のあいさつは体を横にふることで足る
瓢箪の鉢植ゑを売る店先に軽風立てば瓢箪揺れる
今宵また長く鳴りいる魔法瓶ふいに亡き鳥恋しかりけり
おたまじやくし小さき手足生えそめて天地に梅雨のけはひただよふ
頭ぶつけ胃はおどるとも砂漠ゆくバスはうしろがいちばん落ちつく
ひとしきりもりあがりくる雷雲のこのしづけさを肯はむとす
みちのべに埃(ほこり)をあびてしげる草秋は穂に出(で)て名はあるものを
梅雨雲にかすかなる明りたもちたり雷ひくくなりて夏に近づく
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ