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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年6月
たよりなく白いお前が本当に褐色のあの蝉になるのか
み吉野の 象山の際の木末には、ここだもさわく 鳥の声かも
眼の悪き富榮が太宰に命じられ眼鏡はづして歩む三鷹は
家にてもたゆたふ命。波の上に浮きてし居れば、奥処知らずも
髪切虫籠に鳴かせて少年の日を脱けんとす我も我が子も
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
夕映えに見つめられつつ手首という首をつめたき水に浸せり
水はやき小川の浮藻いまのわが心にも似てゆれやまぬかも
歳月の蛇腹一瞬ちぢみたりちひさなちひさな新生児見る
ヴェトナムに流るる血をも 些事とせむ 若き死囚の ほほのかげりよ
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