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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年5月
あかねさす日清戦争、/砲弾が指に貼りつく/ゆめよりさめて
俺の書いた歌集をTに送ろうか風船につけて飛ばす気分で
ゆらゆらと雲のあいまに浮かぶ月わたしはなにを失[な]くしましたか
麗しき朝のひととき帆を展くこの繰り返しが人にもあれよ
人生の起伏を歩みきて思ふ電話短きは情[こころ]厚き人
テレビジョン消せば画面の中心に引きこまれゆく部屋が映りぬ
ひた泣きて訴へたりし幼の日よりわが身に添へる不安といふもの
ごきげんよう お美しいわ またお逢ひいたしませう 以上みな嘘
古生代いかなる音の満ちゐしか鳥の囀りなき世界とは
煙草の火貸して寄せ合ふ顔ありき あれは男の刹那の絆
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