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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2017年11月
欅木の黄葉のなかを一葉一葉丹念こめて散りゆく落葉
地震やらサリンがばら撒かれたときになんで俺らは産まれたのだろう
親指の爪ほどもなき消ゴムに推敲の一首またも消したり
巻末の旅のひとことウイグル語「ありがとう(ラハメット)」を指し注文終えぬ
映さざるものは見なくてよきものか辺野古の海をテレビは映さず
厨辺にぽとりぽとりと水おちてうつぶせのごとく冬に入るなり
雪の上に影ひきて立つ裸木に耳を当つれば祖父おほちちのこゑ
掃除機は仰向けのままひかれをり「ずぼらやなあ」と叱られながら
不安げなる顔して病室に入りくるむすめよここだ父はここにゐる
農機具のレバーを握る夜の夢しょうがねぇなァ田園を刈る
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