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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年9月
あの雲のすそをつまんで岸辺までぐいと引き寄せられないか、夏
殺してもいいけどここからここまでは親に届けてあげて泣くから
雲のからだに骨はないのに悲しみという感情はつくづく勝手
青き灯のここに黙れば訪ひてとほどほと風を聴きゐたり 丘
おおぜいの人に交って立つときも寂しかったよこの交差点
冷たくも祈り組まれたその御手におのが手を寄せぬくみを分かつ
夕日夕日東京衛戍監獄のあかき煉瓦塀ゆけどもつきなく
羽うすき翼竜よきみは怯ゆるな老いし暴君ティラノに吠えらるるとも
輪をかけて疎遠になっていくひとの輪っか水面におおきくひらく
こころはあおい監獄なのに来てくれた かすかな足音を積もらせて
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