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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
黒瀬 珂瀾
こわいのよ われに似る子が突然に空の奥処を指さすことも
溶けあうものすべて溶けあいからみあう声が木馬のごと揺れるなり
眼路のかぎりみはるかす冬黄昏の地平どこまでわれらが地球(テラ)
寒へ向かふ季節(とき)にして軒の干し柿は含羞の粉(こ)を加へゆくなり
塩振りてひとりの轢死払ひ去る夜半の詰所(つめしょ)に食に戻りぬ
何ものかを守るかたちに擦る燐寸バーナーに湯を沸かさむとして
のどを疾み苦しき朝は― 鳥の影 われより低く飛べるを見たり
満ち潮がかえりくるころ船たちは橋くぐり抜け川船となる
A god has a “life file”, which is about the collapse of my cool core. (罪色の合わせ鏡のその奥の君と名付けた僕を抱き取る)
バスのドア開かるるたびにわが足に冬の日が差す心渇きて
何待ちしひと日の暮れぞいたはりのごとくしづかに靄たちてくる
父なくば育たぬ種など滅ぶべし月下を豹の母と子はゆく
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