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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年10月
職場の恋職場で話す 友は彼を「〈七階〉が」って居る階で呼ぶ
「もう秋ね」「もう十月ね」もうという枕詞があるかのごとし
砂時計ひっくり返す人消えて針の時間が追い越してゆく
シュリーレンさよならゆれるシュリーレン甘い生活だったシュリーレン
傘さしてゆくにんげんをわらひをりたつぷりと雨にぬれて樹木は
虚空とぞ言ふべかりけり蝙蝠の飛ばなくなりし団地の空を
森茉莉は美少女なりきひとめぐりすれば老婆となる鷗外展
剪定の枝の香りの鉛筆を何本も盗らる 何本も削る
五分ほど遅れてをれば駅ごとに日本の車掌は深く深く詫ぶ
ほの暗き腋は植物にもありて葉腋に咲く金木犀の香
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