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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年11月
ほんたうは一度もできたことがない至極まともな雪だるま、他
無音なる世界にをればわが耳は常人のごと健やかなりぬ
不発弾と同い年なり爆弾のとびかふ時にわれら生まれて
きらきらと衰え朽ちてゆくものを見よと指さす、指も滅べよ
身にあわぬ新かなのシャツとりあえず着古しゆかん選びしからは
銭湯が飯屋に化けるその町に黄花コスモス盛りなりけり
滞空をきそえる雪をかきわけつ本局へ向かう速達出しに
さまざまなわれを束ねてわれはあるわれのひとりが草笛を吹く
午睡より醒めれば窓はあかるくてときをり空は鳥を零せり
深呼吸は猫抱きしめて 猫の体[たい]遠くなつたり近くなつたり
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