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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
唐突に物干し竿は現れて隣家に人が住み始めたり
回覧板読むまへにシャチハタの判を押す癖は変はらず母の日々(にちにち)
冷や奴の白き四つ角曲がりきて堂々めぐりに日の暮れてゆく
含み笑いをしながら視線逸らしたる生徒をぼくの若さは叱る
にんげんはそう簡単には死なぬゆえ桜の下に祖母を立たしむ
雪底に押しつぶされし根の怒りある朝噴きて水仙となる
背中だけ見せて寝ている村の井戸を汚したせいで帰れぬ人が
区役所の窓口に立ちなんとなくたみくさの感じにぎこちなくをり
自転車の銀の車体にこびりつく昼のひかりは泡のごとしも
かのときの二月岬の潮風になびきてありしえり巻きのQ
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