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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
雨にも眼ありて深海にジャングルに降りし記憶のその眼ずぶ濡れ
小禽(ことり)の人にさからふくちばしををりふし汝に見ればさびしき
窪地に湛へゐるくらきものより生まれ飛びたつぎらぎらひかる翅たち
証明写真と同じわが顔嵌まりたり帰り来て入る部屋の鏡に
春の日に柱の割るる響きにも心はゆらぐ病みてこもれば
爆音のきはまるときに首のべて大気の坂を鉄のぼりゆく
夏草をからだの下に敷きながらねむり足(た)りたれば服濡れてをり
さびしくて渡りにゆくよ真夜中にふくらみながら橋は待ちたり
教科書の詩を読みながらどうしても唄ってしまう子がやり直す
絆創膏二つ貼りいる左手の指より初夏の朝が始まる
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