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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
棚木 恒寿
シルクロード展を出できて見る青葉嬰児のミイラ永遠(とわ)に乾ける
小禽(ことり)の人にさからふくちばしををりふし汝に見ればさびしき
証明写真と同じわが顔嵌まりたり帰り来て入る部屋の鏡に
爆音のきはまるときに首のべて大気の坂を鉄のぼりゆく
さびしくて渡りにゆくよ真夜中にふくらみながら橋は待ちたり
絆創膏二つ貼りいる左手の指より初夏の朝が始まる
沈黙は苦手といふより恐怖なり 顔まつしろな牛がひしめく
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る 其の八重垣を
わが書きし記事のたぐひや日日の排泄に似てただ忘れたき
多摩川の土手を光らせ無防備な季節は腕を組んでやって来る
帰宅してあかり灯せばくらやみが箪笥のすみに逃げ込むところ
貴人(あでびと)は誰よりうけし勢力(いきほひ)ぞわれに詩あり神の授けし
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