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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
江戸 雪
水族館(アカリウム)にタカアシガニを見てゐしはいつか誰かの子を生む器(うつは)
日々われらやさしき嘘と嘘にてもよきやさしさにまみれて過ぐす
月も日も吾等が爲の光ぞといひてし日より天地を知る
かのときのなつくさはらをかけぬけし風がうそぶく――さんさしおん
ヘヴンリー・ブルー 花であり世界でありわたくしであり まざりあう青
ああ僕を誰の代はりにして君は抱かるる朝の葉月の茘枝(れいし)
十二月八日といふ日つねの如朝の散歩の途次の思ひに
いつさいを告げたくきみと逢ふ街に初夏の陽ざしの匂ひうづまく
子のゐない夫婦(われら)はしづかな火を焚きぬオカメインコにチャオと名づけて
夏ゼミの鳴き声達者七つ時うちで育ちし蟬と思えば
ゆうぐれの電車静かにポイントを渡る今からおまえが好きだ
ダライ・ラマ帰るなき夏の宮殿に咲き盛る僧衣に似たる緋の花
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