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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年2月
遠き国の雪積む貨車が目前(まさき)を過ぎ瞳吸はるるわれと少年
桐のはな医院のうらにほのみえてやわなるものをおもう ゆうぐれ
秀吉が大河ドラマであっさりと死んで開票三十分前
春の日の男の喉に球根のような突起は光りていたり
春の風いま吹けよそよ、そよとなほこほりてとざすきまじめの顔へ
水の面を出でこし鴨の歩きやう彼の水掻きの色に感じのあり
嬉々として人々は見きX線通したるみづからの手、足、頭
月足らずで生まれたらしい弟を補うようにつきのひかりは
竹群の霜とけて日にかがよへり無数なる童謡うまるるごとく
凍死せし犬蹴とばせば木のごとき音を放ちて雪にうづもる
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