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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年9月
夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里
せとものゝひゞわれのごとくほそえだは淋しく白きそらをわかちぬ
青みかん剝けば亡き母うら若く寄り添ふごとしよき香りする
駄菓子屋はグラジオラスも売りていき裏に小さき畑をもてば
黄の蝶の林に住むは幽けかり落葉松も芽ぶきそめにし
秋風に見つつかなしも蟹ふたつ相寄り激流に沈みゆきたり
秋彼岸非日常のマント着て地獄の君に会いにいこうか
おしまい。と夕ぐれが云う窓が云うアイロン台の脚を折るとき
夕かげる桜木のもとわが想ふひとりのために花よやすらへ
夜の路抱(だ)き歩みせし兒の足袋のぬげたる足の冷たかりしも
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