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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
中津 昌子
晴れ上がる銀河宇宙のさびしさはたましいを掛けておく釘がない
捕へたる蜘蛛をかまきりは食はんとす優位なるものの身の美しく
ぼくたちは時間を降りているのかな膝をふわふわ笑わせながら
水際には死ぬために来し蜂の居てあわれわずかにみだりがわしき
熱帯の蛇展の硝子つぎつぎと指紋殖えゆく春より夏へ
愛し抜かざりし青春よ山に来て鳥や獣のこゑが悼みくるる
どこに行けば君に会えるということがない風の昼橋が眩しい
はさみで切って使いきられたねりからしチューブみたいな俺を愛せ
「いとよろし いといとよろし」残りたる歌評快晴明治あけぼの
いつしんに樹を下りゐる蟻のむれさびしき、縱列は橫列より
右へでも左へでもなだれ打つときの「群」といふもののその怖さつたら
鉄棒の上に座って口喧嘩 くるんとぶら下がって口づけ
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