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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2009年12月
空のない窓が夏美のなかにあり小鳥のごとくわれを飛ばしむ
人生のもつともつらい瞬間は過ぎたのだらう 内装は蒼(あを)
愛恋のはざまむなしも雪崩つつけぶるがままに幾夜ありけむ
一二月二十八日午後二時のひかりのなかに二つの林檎
こともなく陽の照れる街を須臾に見て坂をくだりをり逢ひにゆくなり
二千年 前、に生まれた嬰児の(さう!)血の色のリボン、を、結ぶ
「母よかかはりなし」と言ひにけり若きナザレの聖工匠(たくみ)の子も
地下のバー酔ひやすくして己が手に残る時間を人ら埋(う)もるる
あらはなるうなじに流れ雪ふればささやき告ぐる妹の如しと
まだ乾かない水彩の絵のやうに雪くる朝の雲がにじんで
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