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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年3月
青雲の恋のつづきと思うべく肩にかかげる男児(おのこ)の一軀
そしてまた歳月が過ぎここはもう廃墟ですらないかすかな起伏
〈いちめんのなのはな〉といふ他なきを悔しみ菜の花の中にゐる
葡萄色の/古き手帳にのこりたる/かの会合の時と処かな
一枚の葉書をかいてポストまで 大きな春があとついて来る
「住民票一通三百円です」ともう千回は言つてるだらう
十四日お昼すぎより歌をよみにわたくし内へおいでくだされ
砂に寝て聴いてをります波とわれ息が合ふつてかういふことか
野獣派のマチスの「ダンス」手を繋ぐときあらはれる人間の檻
蜂の屍のかろく乾ける浄らにて落花のほども媚びることなし
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