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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年7月
しらしらと老のしら髪ぞ流れたる落葉のなかのたそがれの川
エンターキー押して改行のみをせしごとき一日(ひとひ)の果ての満月
池水はすり鉢状に渇水し搏動(いき)のごときを岸辺に刻む
ばら縷縷と続くばら園 ゆく先に花ある生(よ)などもはや思はぬ
どんよりと空は曇りて居(お)りたれば二たび空をみざりけるかも
すべての菜の花がひらく 人は死ぬ 季節はめぐると考えられる
五月雨に物思ひをれば郭公夜ぶかくなきていづちゆくらむ
エスカレーターいったん平たくなるところわりと長くて歩きだすところ
いるんだろうけど家に入って来ないから五月は終わり蚊を見ていない
マンホールの上を行くとき水音を聴きとめて「川なの?」と妻は訊きたり
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